産業廃棄物収集運搬業は、事業活動に伴い排出される廃棄物を安全に運搬し、適切に処理施設へ引き渡す役割を担う重要な業種です。この業務を京都府長岡京市で行うためには、京都府知事の許可を取得しなければなりません。
本記事では、許可をスムーズに取得するための「ポイント」と、申請に必要な「書類」を中心にわかりやすく解説します。これから新規申請を予定している方は、ぜひご一読ください。
1. 許可取得に向けた準備のポイント
ポイント① 欠格要件の確認
申請者が以下の「欠格要件」に該当する場合、許可は下りません。これは法人役員全員に適用されます。
- 禁錮以上の刑の執行を終えてから5年以内
- 廃棄物処理法違反による罰金刑から5年以内
- 暴力団との関係がある
- 営業停止処分を受けた法人に関与している など
まずは、自身や法人役員が欠格要件に該当していないかを確認しましょう。
ポイント② 講習会修了証の取得
許可申請には、**公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター（JWセンター）**が実施する「産業廃棄物収集運搬課程」の講習修了証が必要です。
- 講習期間：2日間
- 最終日に試験あり
- 有効期限：5年間（更新時にも使用可）
申請書類の提出時点で有効期限が切れていないことが条件です。
ポイント③ 適正な車両の準備
産業廃棄物を運搬するための車両が必要であり、以下の要件を満たしていることが求められます。
- 「産業廃棄物収集運搬車」と明記された表示板を掲示
- 密閉構造で、積載物の飛散・流出を防止する構造
- 所有または使用権限（リース契約含む）が明確である
2. 申請に必要な主な書類一覧
京都府における産業廃棄物収集運搬業の申請には、以下の書類が必要です。書類の内容に誤りがあると、申請が受理されなかったり、審査が長期化する場合があります。
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 許可申請書（京都府様式） | 事業者情報、業務内容、使用車両などを記載 |
| 講習修了証の写し | JWセンターが発行した正式なもの |
| 登記事項証明書（法人） | 取得日から3か月以内の原本 |
| 定款の写し（法人） | 最新のもの（事業目的に産業廃棄物処理業が含まれる必要あり） |
| 財務諸表（直近3期分） | 貸借対照表・損益計算書など |
| 車両の車検証の写し | 使用する全車両分 |
| 使用車両の写真 | 外観・車内・積載部分が確認できるもの |
| 使用権限を証明する書類 | リース契約書等（所有でない場合） |
| 役員の住民票・履歴書 | 欠格要件の確認資料として提出 |
| 事業計画書（必要に応じて） | 新設法人や経営実績がない場合に提出を推奨 |
※申請先（京都府環境管理課または地域振興局）によっては、追加資料の提出を求められる場合もあります。
3. 書類提出から許可取得までの流れ
ステップ1：書類の準備
上記の必要書類を揃え、漏れや不備がないかを丁寧に確認します。可能であれば、行政書士や専門家に事前にチェックしてもらうと安心です。
ステップ2：申請窓口への提出
京都府の指定窓口（環境管理課または南部地域振興局）に書類を提出します。提出前に予約が必要な場合もあるため、事前に確認しましょう。
ステップ3：申請手数料の納付
許可申請の手数料として81,000円（新規申請）が必要です。納付方法は現地での支払いまたはオンライン（スマート申請サービス）に対応しています。
ステップ4：審査と補正
提出後、京都府による審査が行われます。不備がある場合は補正の連絡があります。正確な書類を提出することで、審査期間を短縮できます。
ステップ5：許可証の交付
審査に通過すると、京都府知事より正式な「産業廃棄物収集運搬業許可証」が交付されます。これにより、長岡京市を含む京都府内での業務が正式に可能となります。
4. 許可取得のための補足アドバイス
- 定款の見直し：事業目的に「産業廃棄物収集運搬業」が含まれていない場合、定款変更が必要になることがあります。
- 行政書士への依頼：書類作成や許可取得に不安がある場合は、行政書士への依頼を検討しましょう。
- スケジュール管理：講習の日程や書類取得には時間がかかるため、早めに計画を立てることが重要です。
まとめ
京都府長岡京市で産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、正確な書類の準備と、審査基準に沿った事業体制の構築が必要です。欠格要件の確認、講習会修了、適正な車両確保、必要書類の整備という基本をしっかり押さえることで、許可取得は確実なものとなります。
初めての申請で不安を感じる方は、行政書士など専門家のサポートを受けながら進めるのが安心です。計画的に準備を進め、許可取得を成功させましょう。
